記憶術で人生を変えよう

脳トレの効果

 脳トレは、記憶力に限らず、脳機能全般を向上させるためのトレーニングです。この脳トレは、記憶力の向上にももちろん役立つものです。記憶力強化のゲームなどもありますが、これは短期記憶を強化することを目的にしています。もちろんそれが記憶力の向上に役立たないというわけではありませんが、100マス計算や論理パズル、フラッシュ暗算や逆読みなど、どんな脳トレでもいいのです。むしろ、記憶力に関するトレーニングだけを行うより、色々な種類、色々な脳の使い方を強化するためのトレーニングをやっていくほうが効果的です。

 記憶は、例えば脳の容量が大きければたくさんの物事を記憶できるとは限りません。というよりも、覚えたい記憶、覚えておきたいことを忘れずにいる、そのことと脳の容量はあまり関係がありません。それでは記憶することが得意な人というのは、なぜ記憶できるのでしょう。これは、短期記憶を、最終的に長期記憶に変えることが得意な人ということになります。この世には、記憶の名人とも言える、膨大な記憶力を誇る人が確かに存在します。そして、なかなか年号すら覚えられないという人ももちろんいます。記憶力に優れている人、苦手な人の差というのは、脳の記憶容量による差ではありません。基本的に、一度覚えたハズのことを、上手く引き出せない人、思い出せない人が、結局は記憶が苦手な人になります。それでは、記憶を上手く引き出せるようになるためにはどうすればいいかというと、記憶力だけではなく、まんべんなく脳を使い、頭の回転を良くしておくことなのです。年を取ると、シナプスが減少していくと言われていますが、これは加齢によるものではなく、脳が必要ないと判断したシナプスが減っていくのです。ですから、例えば50歳だろうと、70歳だろうと、きちんと頭を使い続けていればシナプスは増えていきます。シナプスが減ってしまうのは、頭を使う機会そのものが減っていくからなのですね。

 そして更に大きな目で見れば、ウォーキングや質の良い睡眠を取ること、整理整頓すること、たまにはゲームをしたり、趣味の時間も大事にしたりすることなどなど、様々な事柄が脳を活性化させて、最終的に記憶力を引き上げて行くことに繋がるのです。