記憶術で人生を変えよう

記憶しやすいもの、しにくいもの

 人は、誰でも記憶しやすいもの、記憶しにくいものというのがあります。単純な例では、好きな映画のあらすじはよく覚えていたり、細部を人に説明したりできますが、全くつまらなかったと感じる映画は、あらすじも、オチも覚えていないということがよくあります。また、映画であれば納得のいかないラストであったり、泣かずにはいられなかったりした映画というのももちろん忘れにくいはずです。記憶しやすいものというのは、感情が動いたものなのです。男性よりも女性のほうが、過去の事を事細かに記憶している傾向があるといわれていますが、これは女性のほうが感情豊かで、物事を印象深く感じ取っているためといわれています。といっても、一概に女性のほうが、記憶力がいいとは言い切れません。女性は道を覚えるのが苦手という人、多いですよね。その一方で、男性は道順などを記憶するのが得意です。

 その他、忘れにくい記憶というのは、生きていくために必要不可欠な記憶です。理由はいうまでもなく、脳は生命維持を最優先にしているからです。そして逆に、生きていくために失っても困らない情報はすぐに忘れてしまうことになります。例えば小さい子どもが、外国語を学んだとしても、やはり小さいうちに日本語にしか触れなくなると、簡単に覚えたはずの外国語を忘れてしまいます。

 そしてこれまで覚えてきたことと、関係性のある事柄、これは誰でも覚えやすいものです。例えばドルチェという言葉を覚えようとするとします。デザートやイタリア料理を好む人であれば、簡単に覚えられますが、和菓子しか食べたことがない、そして和食派の人であれば、なかなか覚えられない言葉になります。なぜかというと、人は何かを思い出そうとする時、その思い出すキッカケも記憶だからです。記憶というのは、繋がっているからです。ドルチェであればケーキ→ティラミス→ドルチェと思い出すかも知れませんし、トマト→パスタ→チーズ→ドルチェと思い出すかも知れません。いずれにしても、すでにドルチェに関連する物事を、すでに記憶している人のほうが、その言葉を覚えやすいということになります。経験したことのある人もいると思いますが、英単語や年表などを覚えようとする場合、最初はなかなか覚えられず時間がかかるのですが、ある時からとたんに記憶しやすくなったりします。これは、ある程度記憶の量が増えれば、他の記憶と結びつけることが出来るようになるからです。つまり、記憶量がもともと多ければ多いほど、人は色々なことを記憶しやすくなるのです。